技術経営ろぐ

大学院で学んだことを書いていきます

志望理由書(2)志望の動機、本専攻で取り組んでみたいことについて

私が大学院への入学を志望する動機は、大きく2つあります。

一つめの動機は、技術経営の分野の中でも特にマーケティングと組織マネジメントの分野について体系的な学習を行いたいということです。

なぜならば、それらの知識と基本的なスキルは、今後現職において私に期待されている職務を遂行していく上で必要な『経営視点での物事を捉え、実行していく』ために知っておくべき知識であるからです。

私は、高等学校卒業後、大学に進学せずにアルバイトを経て会社員となり、学問として何らかのテーマを深く、自分が納得するまで学んだという経験がありません。これまでの社会人生活の中では常に『今目の前で解決しなければならない問題をどのように、いかに効率的に解くか』という視点で、必要なスキルを必要なタイミングで獲得してきました。現在の会社に入社してからは、プロダクトマーケティング担当として、担当する製品の日本市場展開を行ってきました。ときには、システムエンジニアコンサルタントとしての自らの経験のみを拠り所とした、半ば勘に頼る方法で業務をこなしてきてしまったのではないか、という思いがあります。

プロダクトマーケティングを担当する者として、市場展開を考える際の定石や基本的なオペレーションの意味をしっかりと理解しないまま、場当たり的な施策に時間を費やしてしまうことも多かったように思います。

担当製品の日本代表として2年半、成長する市場の勢いと周囲の協力を得て、売上や利益としては高く評価されるゴールをクリアしています。今後、社内で私が中核となって、本格的に日本市場に製品を浸透させていくための『組織』をつくるにあたり経営のセオリーと、リーダーとして必要な知識と思考のフレームワーク、技術経営の先人たちの成果と事例を掘り下げる機会をもつことが、今と将来の自分に必要なことだと感じています。

二つめの動機は、私自身の実務体験をMOTに参加している方々や教員の方々と共有し、議論を通じてフィードバックを得たいからです。

私がこれまで実務の中で実際に経験してきた課題は主に『ICTシステムを通じて顧客の課題を解決する』ということと『システム開発チームの生産性を高めるための仕掛けを構築し、いかにしてチームに馴染ませるか』ということです。これらの課題と、その解決方法について、東京理科大大学院MOTの教授陣、生徒の方々とともに議論し、当時の私の判断と行動について検証する機会を得たいと考えています。

今後、現職において私に期待されていることは、担当製品にかかる日本市場展開のための組織づくりです。これまでもチームのリーダーとしての役割を担ってきた経験はありますが、今後はより組織をつくり、動かしていくということの責務が大きくなってきます。そのために、私自身の過去の経験だけでなく、多くの方々がどういう局面でどんな課題を認識し、それに対してどういう判断をしたのか、結果はどうだったのか、ということを知り自分が今後直面する課題に対して備えていきたいと思います。