技術経営ろぐ

大学院で学んだことを書いていきます

志望理由書(3)将来の進路について

MOT修了後の短期的な目標は、現在担当している製品の国際化と地域化について、米国本社に対して有効な施策を提言し、それを実行してくことで日本の市場開発を担うリーダーとなることです。 私が現在の会社で担当している製品は、米国の製品開発チームで開発され、ターゲットとなる市場も主に米国を念頭にマーケティング、セールス、サポートなどのオペレーションが組織化されています。そのため、米国以外の商習慣や地域ごとの需要は、必ずしも製品開発に活かされているとは言えない状況です。 しかし、インターネットを通じて頒布されるクラウドサービスという特性上、既に米国以外の地域にも需要が存在し、また市場も形成されつつあります。私は、日本地域の担当として、担当製品の日本市場をより成長させ、収益を拡大するために、日本において具体的に何をしなければならないのか、米国本社に何をさせなければならないのか、日本市場の現場担当として、具体的で説得力のある施策を提言し、それを実行していきたいです。

長期的なキャリアの目標は、SI(システム・インテグレーター)業界のソフトウェア開発者の社会的地位の向上に貢献することです。 日本のICT業界、とくにSI業界には日本のB2B市場におけるICT需要の高まりに伴って数多くの企業が参入し、数多くのソフトウェア開発者がいます。しかし、SI業界では、一部大手企業を頂点としたピラミッド型の産業構造となっており、そのヒエラルキーの中で中堅以下に位置づけられる企業の技術者は、そこで担っている仕事の価値に比して、必ずしも報われているとはいえない現状があります。ニュースなどでしばしば取り上げられるように、SI業界は、プログラマーが低い賃金で長時間酷使されたり、非常に強いストレスにさらされたりするなど、劣悪な労働環境であることも少なくありません。 また、近年コンシューマー市場において、ICTを活用したさまざまな新しいサービスが展開される中、B2B業界のシステム開発を担う技術者は、新しい技術から取り残されがちであり、自ら新しい技術を獲得し、実践で活用できる機会が著しく減ってきています。技術者視点でみると、新しい技術へのチャレンジが少なく、古いシステムを維持しつづけることに多くの時間を費やすSI業界の魅力は薄れ、実際に多くの優秀な人材の流出も起きています。 一方で、B2B業界のシステムにおいても、コンシューマー市場で培われた新技術やサービスなどを取り入れていこうという動きが加速しています。B2B市場が求めている需要と、SI業界における人材不足は今後大きな課題になってくるはずです。

SI業界に優秀な人材を集め、将来のB2B市場におけるICT活用を通じて、社会をより豊かにするためには、SI業界がそれを支える技術者にとって魅力的な場である必要があると考えます。私はソフトウェア開発者のモチベーションを、市場にとどけ、優秀なソフトウェア開発者が生き生きと仕事に取り組むことで社会を良い方向に変革していけるように、MOTを通じて学ぶことがらを役立て、自分なりにこの業界に貢献していく道を探りたいです。